NHK首都圏ネットワークで放映され、ヤフートップに載ったり、ネットでは、全新聞社からネット配信、地方紙からも多数配信され、事件の扱いは割と大きかったです。
が、新聞は、確認したところ、毎日新聞と朝日新聞、埼玉新聞の3社のみ掲載でした。これまで、小さくでも、ほぼ全ての新聞に載ったんですけどね。しかし、掲載された、毎日新聞と朝日新聞の記事は大きかったです。
(2011年控訴審、2014年最高裁判決時は、ほぼすべての新聞に記事が載りながら、ネット配信がほぼなかった、という不思議な状態でしたが。)
ネットでは、ヤフートップに載り、これが影響大きかったですね。
労働事件という地味な事件にしては、コメントも多かったと思います。
ヤフートップに載っている時間帯に、友人・知人から5人、ヤフー見たよってメールが入ってきました。すごい影響力ですね。
ネット配信専門のニュース会社からの配信も複数あります。
過去は、大手の新聞社だけだったのに、時代の流れを感じます。
大手新聞社(NHK含む)の記事は、大スポンサー企業の東芝に配慮したのかな、と思える部分がありますが、ネット配信記事は、しがらみが無いのか、中立的な記事になっています。
以下、まとめです。
NHK
「ストレスでうつ病に」東芝に賠償命令 東京高裁(リンク切れ)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160831/k10010662891000.html
朝日新聞(ヤフートップ)
うつ理由解雇の差し戻し審、東芝に6千万円賠償命令
http://www.asahi.com/articles/ASJ804J8TJ80UTIL028.html
ヤフートップ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160831-00000077-asahi-soci
毎日新聞
東芝に6000万円賠償命令 「うつ病」解雇で
http://mainichi.jp/articles/20160901/k00/00m/040/088000c
日本経済新聞
東芝に6000万円賠償命令 東京高裁、過労でうつ病の社員解雇
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG01H6Y_R00C16A9CR8000/
産経新聞
過労で鬱病、東芝に6千万円賠償命令 東京高裁
http://www.sankei.com/affairs/news/160831/afr1608310042-n1.html
共同通信
東芝に6千万円賠償命令
過労でうつ病、東京高裁
http://this.kiji.is/143683817500082180?c=39546741839462401
中日新聞(共同通信配信記事)
東芝に6千万円賠償命令 過労でうつ病、東京高裁
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016083101001808.html
地方新聞からは多数ネット配信
しんぶん赤旗
過労うつ解雇 差し戻し判決 東芝の賠償増額 6000万円
東京高裁
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-01/2016090101_03_1.html
弁護士ドットコム
一審から12年、過労うつ病・解雇訴訟で東芝に6000万円賠償命令…高裁差し戻し審
https://www.bengo4.com/c_5/c_1626/n_5062/
BuzzFeed
東芝・解雇無効裁判、社員に6000万円超の賠償支払い 過労→うつ→クビで12年争う
だが、職場復帰のめどはたたない
https://www.buzzfeed.com/kazukiwatanabe/toshiba-vs-kawahito-okuda-court?utm_term=.koMq3a15j#.stpknb502
中国(台湾?)のマスコミがネット配信してました
職場正義》東芝解雇憂鬱症休養員工 東京高院判賠6千萬日圓
http://www.storm.mg/article/161051
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NHK
8月31日 18時01分
仕事のストレスでうつ病になり、解雇を通告された東芝の社員の女性が会社を訴えた裁判で、東京高等裁判所は、東芝に対して賠償金などとして6000万円余りの支払いを命じる判決を言い渡しました。
東芝の開発部門に所属していた重光由美さん(50)は、平成13年にうつ病と診断され、3年の休職期間が終わったあとで解雇を通告されましたが、「病気の原因は長時間勤務など仕事のストレスなのに、不当な対応だ」として、解雇の無効や賠償を求める訴えを起こしました。
1審と2審で解雇は無効とされましたが、賠償金の額については判断が分かれ、おととし、最高裁判所が審理をやり直すよう命じていました。
31日の判決で、東京高等裁判所の奥田正昭裁判長は「上司が負担の軽減を聞き入れないなど対応に問題があったが、会社が職場復帰のために努力していることなども総合的に考慮すべきだ」として、東芝に対して賠償金などとして6000万円余りを支払うよう命じました。
重光さんは「主張の一部を認めたことは評価したいが、当事者の苦痛が低く見積もられている部分があり、非常に残念です」と話しています。
朝日新聞
うつ理由解雇の差し戻し審、東芝に6千万円賠償命令
2016年8月31日18時29分
過重労働が原因でうつ病になったのに不当に解雇されたとして、東芝(東京都港区)社員の重光由美さん(50)が同社に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し後の控訴審判決が31日、東京高裁であった。奥田正昭裁判長は、差し戻し前の高裁判決が認めた賠償額を増額し、東芝に約6千万円の支払いを命じた。
判決によると、埼玉県深谷市の工場で働いていた重光さんは2001年にうつ病を発症して休職し、04年に解雇された。重光さんが訴えた解雇無効については、差し戻し前の11年の高裁判決で確定。ただ高裁判決は、重光さんが発症を同社に申告しなかったことなどを理由に、賠償額の2割を減額した。
賠償額をめぐる争いで、最高裁は14年にこの高裁判決を破棄し、改めて賠償額を判断するよう審理を差し戻していた。この日の判決は、重光さんの落ち度を理由とする減額を認めなかった。
毎日新聞
東芝に6000万円賠償命令 「うつ病」解雇で
2016年8月31日 20時44分(最終更新 8月31日 21時42分)
過重労働でうつ病となり、休職後に解雇された元東芝社員、重光由美さん(50)=埼玉県深谷市=が東芝に賠償を求めた訴訟の差し戻し審判決で、東京高裁(奥田正昭裁判長)は31日、業務量の調整などの配慮を怠ったとして約6000万円の支払いを命じた。
一連の裁判では、重光さんが発症前に通院歴を会社に申告しなかったことが過失と言えるかが主な争点だったが、「会社は申告がなくても健康に配慮すべきだった」と審理を差し戻した最高裁判決(2014年)後に東芝側は過失の主張を撤回した。今回の賠償額は、重光さん側の主張が大筋で認められた。
重光さんは解雇無効と賠償を求めて04年に提訴し、解雇無効は差し戻し前の高裁判決で確定している。重光さんは「提訴から12年たってしまったが、過労やパワハラの被害者が減るようにこの判決が役立ってほしい」と話した。東芝は「判決を重く受け止め、適切に対応したい」とコメントした。【伊藤直孝】
日本経済新聞
東芝に6000万円賠償命令 東京高裁、過労でうつ病の社員解雇
2016/9/1 21:16
過重労働でうつ病になり、不当に解雇されたとして、東芝元社員の重光由美さん(50)が東芝に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し控訴審で、東京高裁(奥田正昭裁判長)は1日までに、約6千万円の支払いを命じた。差し戻し前から賠償額を増額した。
訴訟では重光さんが精神科への通院歴を申告しなかったことの過失が争われた。最高裁は2014年、「申告がなくても会社には安全管理に注意すべき義務がある」と判断。重光さんの過失を認めて賠償額を2割減額した控訴審判決を破棄し、審理を差し戻した。
判決によると、重光さんは埼玉県深谷市の工場で液晶生産ライン開発のプロジェクトリーダーを務め、01年にうつ病を発症。休職後に職場復帰しなかったとして04年に解雇された。解雇の無効については、差し戻し前の控訴審ですでに確定している。
産経新聞
2016.8.31 19
過労で鬱病、東芝に6千万円賠償命令 東京高裁
長時間労働で鬱病になり、東芝を解雇された元社員、重光由美さん(50)=埼玉県深谷市=が約1億円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し判決で東京高裁(奥田正昭裁判長)は31日、差し戻し前から賠償額を増額し、東芝に計約6千万円の支払いを命じた。
差し戻し前の東京高裁判決は、神経科への通院などを早く申告していれば、東芝が悪化を防ぐ措置ができたと判断したが、最高裁は「申告がなくても会社は労働者の健康に配慮する必要がある」として差し戻していた。
今回の判決は重光さんの過失を否定し、差し戻し前の判決が320万円とした慰謝料を400万円に増額。そのほか、東芝が過重な労働を軽減しなかったことに基づく休業損害などを認めた。
判決によると、重光さんは深谷市の工場で液晶生産ラインの開発などを担当。平成13年4月に鬱病を発症して10月から欠勤し、16年9月に解雇された。
共同通信
東芝に6千万円賠償命令
過労でうつ病、東京高裁
2016/8/31 20:48
長時間労働でうつ病になり、東芝を解雇された元社員重光由美さん(50)=埼玉県深谷市=が約1億円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し判決で東京高裁(奥田正昭裁判長)は31日、差し戻し前から賠償額を増額し、東芝に計約6千万円の支払いを命じた。
差し戻し前の東京高裁判決は、神経科への通院などを早く申告していれば、東芝が悪化を防ぐ措置ができたと判断したが、最高裁は「申告がなくても会社は労働者の健康に配慮する必要がある」として差し戻していた。
今回の判決は重光さんの過失を否定し、差し戻し前の判決が320万円とした慰謝料を400万円に増額した。
しんぶん赤旗
過労うつ解雇 差し戻し判決
東芝の賠償増額 6000万円
東京高裁
東芝が過労でうつ病になった重光由美さん(50)を解雇した事件で、重光さんの最高裁勝訴で差し戻された東京高裁の判決が31日、出されました。奥田正昭裁判長は、東芝に対し休業損害や慰謝料、見舞金などと遅延損害金あわせて6000万円以上を支払うよう命じました。解雇無効はすでに確定しています。
最高裁判決を受けて、重光さんの職場復帰に向けた和解協議が行われていましたが、会社側から希望しない職場と社員平均年収を下回る賃金が提示されたため和解が決裂。判決に至りました。
重光さんは2001年1月、埼玉県深谷市の工場で、当時、世界最大サイズの液晶画面の製造ラインを短期間で立ち上げるプロジェクトリーダーとなりました。長時間過重労働によって休職し、04年9月に休職期間満了を理由に解雇されました。
2011年2月の東京高裁判決は、解雇を無効としましたが、重光さんが通院歴を会社に申告しなかったことを過失とみなして損害賠償を2割減額する不当な認定をしました。14年の最高裁判決は「労働者本人から積極的に申告されないことを前提として、労働者の健康に配慮する必要がある」と指摘。今回の差し戻し判決で損害賠償金が大幅に増額されています。
東京高裁内で会見した重光さんは、「この裁判が過労やパワハラで被災する人が減ることに役立ってほしい。東芝は、メンタルヘルス対策をしていると公言しているので、きちんと対応してほしい」と述べました。
弁護士ドットコム
2016年08月31日 17時07分
一審から12年、過労うつ病・解雇訴訟で東芝に6000万円賠償命令…高裁差し戻し審
過重労働によるうつ病で休職していた東芝の元社員が、休業期間満了で解雇されたのは不当だとして、会社を相手に損害賠償などを求めていた訴訟の差し戻し審の判決が8月31日、東京高裁であった。奥田正昭裁判長は東芝に対し、差し戻し前の判決の倍以上となる約6000万円(利息除く)を支払うように命じた。
原告の重光由美さん(50)は1990年、技術職として東芝に入社。2000年から工場で液晶生産のライン立ち上げに携わったが、長時間労働が続き、うつ病を発症した(のちに労災認定)。2001年9月から休業していたが、東芝は3年の休職期間が満了したとして、2004年に重光さんを解雇。重光さんは同年11月、解雇無効や慰謝料を求めて、東芝を相手に裁判を起こした。一審が始まってから約12年が経過している。
一審の東京地裁は2008年、解雇無効と東芝側に約2800万円の支払いを命じる判決を言い渡したが、双方が控訴。2011年の高裁判決でも解雇無効とされたが、重光さんが在籍当時、精神科に通っていることを会社に告げていなかったことから、過失相殺として賠償額が減額された。重光さんは最高裁に上告。2014年、最高裁が過失相殺を否定し、高裁に差し戻していた。
判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見した重光さんは、「過労やパワハラで被災した当事者は、症状もつらいですし、周囲からの偏見にも苦しみます。この裁判が過労やパワハラで被災する人が減る社会に役に立っていただきたいです」とコメント。判決については、評価できる部分もあるが、慰謝料の金額や会社から支払われる見舞金の額について不服な部分もあるといい、「上告するかどうかは、弁護士と相談します」と話した。
重光さんは東芝への復職を予定している。「東芝はメンタルヘルス対策をしていますと公言しているので、きちんとした対応をしていただきたいです」と語った。
一方、東芝は「判決を重く受け止め、その内容を十分に確認した上で適切に対応していきたいと考えております」とコメント。重光さんの復職後の部署については、「協議して決めていきたい」としている。
8月31日 18時01分
仕事のストレスでうつ病になり、解雇を通告された東芝の社員の女性が会社を訴えた裁判で、東京高等裁判所は、東芝に対して賠償金などとして6000万円余りの支払いを命じる判決を言い渡しました。
東芝の開発部門に所属していた重光由美さん(50)は、平成13年にうつ病と診断され、3年の休職期間が終わったあとで解雇を通告されましたが、「病気の原因は長時間勤務など仕事のストレスなのに、不当な対応だ」として、解雇の無効や賠償を求める訴えを起こしました。
1審と2審で解雇は無効とされましたが、賠償金の額については判断が分かれ、おととし、最高裁判所が審理をやり直すよう命じていました。
31日の判決で、東京高等裁判所の奥田正昭裁判長は「上司が負担の軽減を聞き入れないなど対応に問題があったが、会社が職場復帰のために努力していることなども総合的に考慮すべきだ」として、東芝に対して賠償金などとして6000万円余りを支払うよう命じました。
重光さんは「主張の一部を認めたことは評価したいが、当事者の苦痛が低く見積もられている部分があり、非常に残念です」と話しています。
朝日新聞
うつ理由解雇の差し戻し審、東芝に6千万円賠償命令
2016年8月31日18時29分
過重労働が原因でうつ病になったのに不当に解雇されたとして、東芝(東京都港区)社員の重光由美さん(50)が同社に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し後の控訴審判決が31日、東京高裁であった。奥田正昭裁判長は、差し戻し前の高裁判決が認めた賠償額を増額し、東芝に約6千万円の支払いを命じた。
判決によると、埼玉県深谷市の工場で働いていた重光さんは2001年にうつ病を発症して休職し、04年に解雇された。重光さんが訴えた解雇無効については、差し戻し前の11年の高裁判決で確定。ただ高裁判決は、重光さんが発症を同社に申告しなかったことなどを理由に、賠償額の2割を減額した。
賠償額をめぐる争いで、最高裁は14年にこの高裁判決を破棄し、改めて賠償額を判断するよう審理を差し戻していた。この日の判決は、重光さんの落ち度を理由とする減額を認めなかった。
毎日新聞
東芝に6000万円賠償命令 「うつ病」解雇で
2016年8月31日 20時44分(最終更新 8月31日 21時42分)
過重労働でうつ病となり、休職後に解雇された元東芝社員、重光由美さん(50)=埼玉県深谷市=が東芝に賠償を求めた訴訟の差し戻し審判決で、東京高裁(奥田正昭裁判長)は31日、業務量の調整などの配慮を怠ったとして約6000万円の支払いを命じた。
一連の裁判では、重光さんが発症前に通院歴を会社に申告しなかったことが過失と言えるかが主な争点だったが、「会社は申告がなくても健康に配慮すべきだった」と審理を差し戻した最高裁判決(2014年)後に東芝側は過失の主張を撤回した。今回の賠償額は、重光さん側の主張が大筋で認められた。
重光さんは解雇無効と賠償を求めて04年に提訴し、解雇無効は差し戻し前の高裁判決で確定している。重光さんは「提訴から12年たってしまったが、過労やパワハラの被害者が減るようにこの判決が役立ってほしい」と話した。東芝は「判決を重く受け止め、適切に対応したい」とコメントした。【伊藤直孝】
日本経済新聞
東芝に6000万円賠償命令 東京高裁、過労でうつ病の社員解雇
2016/9/1 21:16
過重労働でうつ病になり、不当に解雇されたとして、東芝元社員の重光由美さん(50)が東芝に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し控訴審で、東京高裁(奥田正昭裁判長)は1日までに、約6千万円の支払いを命じた。差し戻し前から賠償額を増額した。
訴訟では重光さんが精神科への通院歴を申告しなかったことの過失が争われた。最高裁は2014年、「申告がなくても会社には安全管理に注意すべき義務がある」と判断。重光さんの過失を認めて賠償額を2割減額した控訴審判決を破棄し、審理を差し戻した。
判決によると、重光さんは埼玉県深谷市の工場で液晶生産ライン開発のプロジェクトリーダーを務め、01年にうつ病を発症。休職後に職場復帰しなかったとして04年に解雇された。解雇の無効については、差し戻し前の控訴審ですでに確定している。
産経新聞
2016.8.31 19
過労で鬱病、東芝に6千万円賠償命令 東京高裁
長時間労働で鬱病になり、東芝を解雇された元社員、重光由美さん(50)=埼玉県深谷市=が約1億円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し判決で東京高裁(奥田正昭裁判長)は31日、差し戻し前から賠償額を増額し、東芝に計約6千万円の支払いを命じた。
差し戻し前の東京高裁判決は、神経科への通院などを早く申告していれば、東芝が悪化を防ぐ措置ができたと判断したが、最高裁は「申告がなくても会社は労働者の健康に配慮する必要がある」として差し戻していた。
今回の判決は重光さんの過失を否定し、差し戻し前の判決が320万円とした慰謝料を400万円に増額。そのほか、東芝が過重な労働を軽減しなかったことに基づく休業損害などを認めた。
判決によると、重光さんは深谷市の工場で液晶生産ラインの開発などを担当。平成13年4月に鬱病を発症して10月から欠勤し、16年9月に解雇された。
共同通信
東芝に6千万円賠償命令
過労でうつ病、東京高裁
2016/8/31 20:48
長時間労働でうつ病になり、東芝を解雇された元社員重光由美さん(50)=埼玉県深谷市=が約1億円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し判決で東京高裁(奥田正昭裁判長)は31日、差し戻し前から賠償額を増額し、東芝に計約6千万円の支払いを命じた。
差し戻し前の東京高裁判決は、神経科への通院などを早く申告していれば、東芝が悪化を防ぐ措置ができたと判断したが、最高裁は「申告がなくても会社は労働者の健康に配慮する必要がある」として差し戻していた。
今回の判決は重光さんの過失を否定し、差し戻し前の判決が320万円とした慰謝料を400万円に増額した。
しんぶん赤旗
過労うつ解雇 差し戻し判決
東芝の賠償増額 6000万円
東京高裁
東芝が過労でうつ病になった重光由美さん(50)を解雇した事件で、重光さんの最高裁勝訴で差し戻された東京高裁の判決が31日、出されました。奥田正昭裁判長は、東芝に対し休業損害や慰謝料、見舞金などと遅延損害金あわせて6000万円以上を支払うよう命じました。解雇無効はすでに確定しています。
最高裁判決を受けて、重光さんの職場復帰に向けた和解協議が行われていましたが、会社側から希望しない職場と社員平均年収を下回る賃金が提示されたため和解が決裂。判決に至りました。
重光さんは2001年1月、埼玉県深谷市の工場で、当時、世界最大サイズの液晶画面の製造ラインを短期間で立ち上げるプロジェクトリーダーとなりました。長時間過重労働によって休職し、04年9月に休職期間満了を理由に解雇されました。
2011年2月の東京高裁判決は、解雇を無効としましたが、重光さんが通院歴を会社に申告しなかったことを過失とみなして損害賠償を2割減額する不当な認定をしました。14年の最高裁判決は「労働者本人から積極的に申告されないことを前提として、労働者の健康に配慮する必要がある」と指摘。今回の差し戻し判決で損害賠償金が大幅に増額されています。
東京高裁内で会見した重光さんは、「この裁判が過労やパワハラで被災する人が減ることに役立ってほしい。東芝は、メンタルヘルス対策をしていると公言しているので、きちんと対応してほしい」と述べました。
弁護士ドットコム
2016年08月31日 17時07分
一審から12年、過労うつ病・解雇訴訟で東芝に6000万円賠償命令…高裁差し戻し審
過重労働によるうつ病で休職していた東芝の元社員が、休業期間満了で解雇されたのは不当だとして、会社を相手に損害賠償などを求めていた訴訟の差し戻し審の判決が8月31日、東京高裁であった。奥田正昭裁判長は東芝に対し、差し戻し前の判決の倍以上となる約6000万円(利息除く)を支払うように命じた。
原告の重光由美さん(50)は1990年、技術職として東芝に入社。2000年から工場で液晶生産のライン立ち上げに携わったが、長時間労働が続き、うつ病を発症した(のちに労災認定)。2001年9月から休業していたが、東芝は3年の休職期間が満了したとして、2004年に重光さんを解雇。重光さんは同年11月、解雇無効や慰謝料を求めて、東芝を相手に裁判を起こした。一審が始まってから約12年が経過している。
一審の東京地裁は2008年、解雇無効と東芝側に約2800万円の支払いを命じる判決を言い渡したが、双方が控訴。2011年の高裁判決でも解雇無効とされたが、重光さんが在籍当時、精神科に通っていることを会社に告げていなかったことから、過失相殺として賠償額が減額された。重光さんは最高裁に上告。2014年、最高裁が過失相殺を否定し、高裁に差し戻していた。
判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見した重光さんは、「過労やパワハラで被災した当事者は、症状もつらいですし、周囲からの偏見にも苦しみます。この裁判が過労やパワハラで被災する人が減る社会に役に立っていただきたいです」とコメント。判決については、評価できる部分もあるが、慰謝料の金額や会社から支払われる見舞金の額について不服な部分もあるといい、「上告するかどうかは、弁護士と相談します」と話した。
重光さんは東芝への復職を予定している。「東芝はメンタルヘルス対策をしていますと公言しているので、きちんとした対応をしていただきたいです」と語った。
一方、東芝は「判決を重く受け止め、その内容を十分に確認した上で適切に対応していきたいと考えております」とコメント。重光さんの復職後の部署については、「協議して決めていきたい」としている。