主文
1 原判決中、損害賠償請求及び見舞金支払請求に関する上告人敗訴部分を破棄し、同部分につき、本件を東京同等裁判所に差し戻す。
2 上告人のその余の上告を棄却する
3 前項に関する上告費用は上告人の負担とする。
判決文は、すでに、最高裁判例データベースにアップされています。
最高裁判例データベース
平成23(受)1259 解雇無効確認等請求事件
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=84051&hanreiKbn=02
判決文全文PDF
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140325085331.pdf
弁護団コメント
1 本日の判決は、安易に過失相殺・素因減因を適用した原判決の誤りを正したもので、働くもののいのちと健康を守り、療養中の労働者の権利を守り発展させるうえで極めて重要な意義を有する。
14年前の電通事件最高裁判決(2000.3.24)でも東京高裁の過失相殺の誤りを正したが、本日の判決は、同電通事件判の精神と論理を受けついたものと言える。近時、下級審の中で安易な過失相殺を行う判決が生まれているが、本日の判決は、この傾向に歯止めをかけるものとなる。
2 本日の判決は、損益相殺論でも、原判決の誤りを直し、原告の正当な権利を守る内容である。
3 本日の判決全体を通じて、会社が原告に過重労働を課したことを最も重視し、この視点から損害賠償論を述べており、このことは被害者の救済とともに、職場での労災予防のためにも重要な意義を有する
4 会社は、本日の判決を受け止め、同判決に沿って、原告の健康と被害回復のため必要なすべての義務を履行しなければならない。
原告コメント
本日、最高裁において、私の過失を安易に認めた高裁判決を否定し、会社側の過失を全面的に認めた判決が出たことを大変うれしく思います。
「うつ病は心のかぜ、気軽に精神科を受診しましょう」と言われているのに、一回程度の精神科の受診歴があることを持って、私の過失やうつ病のなり易さとした、高裁の裁判官には、社会問題への認識不足を感じます。
うつ病は誰もがなる病気ですし、適切な対応でよくなります。今日の判決で、社会のメンタルヘルスが向上することを期待します。
裁判開始からは10年という大変長い時間が経っています。東芝は、「メンタルヘルス対策をしています」と公言している会社なのですから、差し戻し審では、誠意のある対応をしていただきたいと思います
原告 重光由美
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